【前編】SFTSとは?感染リスクとその対策
最近話題の「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」とは
近年、「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」が全国的に話題となっています。
2025年6月には、ネコの治療にあたっていた三重県の獣医師が亡くなっていたことが、ニュースで報道されました。
ネコはマダニが媒介する感染症にかかっていたとされ、獣医師も完成した疑いがあるとのことでした。
マダニを媒介とするこのウイルス感染症は、発症すると重症化しやすく、死亡することもあるため、特に医療現場や高齢者施設などでの対策が急務となっています。
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SFTSの主な感染経路と症状
SFTSの感染経路の中心は、ウイルスを保有したマダニによる咬傷です。
野生動物やネコ・イヌなどの動物の血液からSFTSウイルスが検出された報告があり、SFTSウイルスに感染したペットのネコやイヌとの接触により感染したと考えられる症例も報告されているようです。
感染後6日〜14日程度の潜伏期間を経て、以下のような症状が現れます。
・発熱
・全身倦怠感
・食欲低下
・嘔気、嘔吐
・下痢、腹痛
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人から人へもうつる?SFTSの二次感染リスク
SFTSは基本的にマダニからの感染ですが、発症している動物の血液などの体液に直接触れた場合、SFTSに感染する可能性もあります。
国外では患者血液や分泌物との直接接触が原因と考えられるヒト→ヒトへ二次感染する例も報告されています。
特に医療従事者や介護職員の間での感染が懸念されており、感染管理体制の見直しが必要です。
マダニからSFTSウイルスに感染しないようにするためには
まずはマダニに刺されないようにすることが重要です。
特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに刺される危険性が高まります。
草むらなどのマダニが多く生息する場所に行く際には、長袖・長ズボン、足を完全に覆う靴、帽子、手袋を着用し、肌の露出を少なくすることが大事です。
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ネコなどの動物からSFTSウイルスに感染しないようにするためには
予防の観点からも、動物に触ったら必ず手を洗うようにしましょう。
動物を飼育している場合、過剰な触れ合いは控えるようにした方が良いです。※例えば動物を布団に入れて寝たりすることなど
また、野生動物は、どのような病原体を保有しているか不明なため、野生動物との触れ合いも避けるようにしましょう。
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エアー式簡易陰圧室のご紹介
ワン・ステップでは動物用エアー式簡易陰圧ゲートという商品をリリースしております。
SFTSに感染した動物を診察するにあたり、院内感染防止体制の整った医療機関で治療が行われることが望ましいとされています。
弊社のエアー式簡易陰圧室は、医療体制を整えるために、空気の流れを一方方向で治療室などの部屋を陰圧状態にします。
実際に院内感染を防ぐツールとして動物病院様に動物用のエアー式陰圧室をご利用いただいた事例もあります。
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「陰圧空間で」感染リスクを低減できる
陰圧空間とは、室内の空気を外に漏らさず、外部から空気を取り入れる構造です。
これにより、感染している動物がいたとしてもウイルスが外部に拡散しないことで、施設内の安全性を高めることができます。
次回の後編では、この陰圧構造を簡易的に導入できる「動物用エアー式簡易陰圧ゲート」について詳しくご紹介いたします。
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