【導入事例】エア式車両ダミーを使った衝突試験とは?自動車メーカー導入事例と効果を解説
近年、自動車業界ではADAS(先進運転支援システム)や自動運転技術の開発が急速に進んでいます。
それに伴い、衝突センサーや認識カメラなどの性能をよりリアルな環境で検証するための試験装置が求められています。
そんな中で注目を集めているのが、空気で膨らむ「車両ダミー」です。
従来の金属・樹脂製ターゲットと異なり、柔軟で安全性が高く、形状やサイズを自由にカスタマイズできるため、
多くの自動車メーカー・研究機関で採用が進んでいます。
今回は、実際に国内自動車メーカーで導入された事例をもとに、導入の背景・課題・効果までを詳しくご紹介します。
目次
導入のきっかけ:リアルな衝突シナリオを再現したいという現場の声
今回エアー式の車両ダミーを導入いただいたのは、国内有数の自動車および二輪車の製造メーカー様です。
工場や研究施設での製品開発では、安全性能を担保するための衝突センサー試験が欠かせません。
特に近年はADAS(先進運転支援システム)や自動運転技術の開発が進む中で、「よりリアルな環境下でセンサーを検証したい」といったニーズが高まっています。
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導入前の課題:試験体の安全性・再現性・取り回しの課題
導入前、お客様が抱えていた最大の悩みは「衝突対象物の再現性」と「試験者・ドライバーの安全性」の両立でした。
段ボールやウレタン製の既製品は簡易に使える反面、実際の車両の質感や重量バランスを再現するには不十分でした。
また、試験体が硬すぎると、万が一の衝突時にテストドライバーに怪我のリスクがあることも懸念されていました。
さらに、「実車の後部座席部分だけを模したターゲットを軽トラの荷台に積載して使いたい」といった現場特有の要望にも対応できず、
汎用品では柔軟性が不足していました。
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| Before(段ボール) | After(送風式車両ダミー) |
導入の決め手:柔軟なカスタマイズ対応と、安全性・軽量性の両立
今回ご採用いただいたエアー式の車両ダミーは、すべてオーダーメイドで設計・製造できる点が大きなポイントでした。
軽トラックの荷台サイズに合わせ、実車に近いデザインで再現することで、現場での「本当にあり得るシナリオ」を忠実に再現。
これにより、試験データの精度も格段に向上したと聞いています。
また、素材は用途に応じて選択可能。
・オックスフォード生地(送風式):軽量・柔軟・安全性が高い
・PVC生地(密封式):耐久性・耐衝撃性に優れる
今回はオックスフォード生地を採用し、ドライバーの安全性と運用効率の両立を実現しました。
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| オックスフォード生地(送風式) | PVC生地(密封式) |
活用の様子:軽トラックへの積載と、実車想定の衝突試験で大活躍
納品されたダミーは、試験場で実際に使用され、軽トラックの荷台に設置して二輪自動車との衝突シナリオ試験が実施されました。
耐久性・センサー反応・衝撃吸収性すべてで良好な結果が得られ、次の開発フェーズへの移行を決定。
お客様からは、積載性・展開のしやすさ・見た目の再現性など、複数の観点で高い評価をいただいています。
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導入後の成果:再注文へとつながる信頼と実績
試験での成果を踏まえ、2台目の車両ダミー製作へと進まれました。
今回はよりハードな環境にも対応するため、送風式タイプでPVC素材へと変更。
結果として、再現性・耐久性ともに向上し、試験回数の増加にも十分対応可能となりました。
導入後は、以前よりもスムーズかつ正確なセンサー評価が可能となり、製品開発の効率も向上。
特に「想像以上のフィッティングだった」との感想もあり、弊社としても嬉しいフィードバックを頂戴しました。
今後の展望:多様な試験ニーズに応える開発へ
この案件を担当した営業担当者によると、「従来の試験方法では限界があったお客様に対して、まさに課題解決型の提案ができた」とのことです。
お客様の声を丁寧にヒアリングし、プロトタイプの開発や素材提案、運用方法のアドバイスまで一貫して対応することで、信頼関係を築き、次なる製品導入にもつなげることができました。
今後は四輪車だけでなく、二輪車・人体・動物型など、より多様な試験ニーズに対応できるよう開発の幅を広げ、あらゆる現場の「安全検証」に寄り添った提案をしていきたいと考えています。
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