【防災用貯水タンクガイド】断水と水害に備える実践対策
災害が多い日本では、「水」が使えなくなるだけで生活も仕事も一気に止まってしまいます。
地震による断水、大雨によるトイレの逆流、給水所までの水の運搬——。
実はこれらは、すべて別の対策が必要になるほど深刻で、ひとつの備蓄アイテムではカバーできません。
本記事では、企業BCPでも個人の防災でも役立つ
「貯水タンク」「組み立て式水槽」「ウォーターバッグ(水嚢)」をテーマに、
災害ごとに必要な対策と選び方を、ワン・ステップの現場経験にもとづいてわかりやすく解説します。
目次
「貯水タンク」が防災の明暗を分ける。災害別にみる「水の課題」
災害大国の日本では、「貯水タンクによる防災対策」の重要性が年々高まっています。
ただし一口に水対策と言っても、地震による断水と、台風・ゲリラ豪雨による水害では必要な備えが大きく異なります。
「災害別の水の課題」を整理すると、大きく以下の2つに分けられます。
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課題①:長期化する「断水」への備え(飲料水・生活用水)
首都直下地震・南海トラフ地震などの大規模災害では、水道の復旧に最大30日、地域によっては数ヶ月かかるケースも想定されています。
この長期間の断水においては、飲み水だけではなく、トイレ・洗浄・手洗い・清掃などの生活用水をどう確保するかが最大の課題です。
つまり、企業・家庭における断水対策で重要なのは、大容量・実用的な貯水タンクの有無が生活の質と安全性を左右するという点です。
課題②:大雨・台風時の「汚水逆流」と水嚢対策
近年増加する豪雨では、下水処理能力を超えることで、トイレ・流し・排水口などから汚水が逆流する被害が多発しています。
この逆流を防ぐ方法として注目されているのが、水を入れた袋(水嚢)を重しとして置く水嚢トイレ対策です。
貯水ツールは「水を溜める道具」だけでなく、水を防ぐための道具にもなるという点は非常に重要です。
【企業・自治体向け】大量備蓄とBCPの切り札「組み立て式水槽」
企業・自治体・マンション管理組合において、大量の水を確保する中心となるのが大型貯水タンクです。
特に、災害時に展開して使用できる「仮設給水タンク(組み立て式水槽)」は、BCP対策として活用可能です。
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避難所やオフィスの断水対策に「仮設給水タンク」が必要な理由
ペットボトル備蓄だけでは不十分なのは、必要な量が圧倒的に足りないためです。
トイレの洗浄水・手洗い・清掃・避難者の生活用水を支えるには、1000L(1トン)以上の水が必要になります。
組み立て式水槽は、
・平時は折りたたんで保管
・災害時でも1時間~3時間程度で素早く展開
・給水車の受け入れタンクとして活用可能
など、避難所・オフィスでの断水対策に最適です。
ワン・ステップが教える選び方とおすすめ活用法
組み立て式水槽を選ぶ際のポイントは次の3つです。
① 設営スピード:初めてでも組み立てられるか、工具不要
② 耐久性と素材:屋外耐久性
③ 拡張性:運用性
発災直後に水槽を立ち上げることで、
・水道管内の残水を確保
・給水車到着時の受け入れ
・拠点ごとのストックヤード化
と、BCPの実効性が大幅に向上します。
【個人・配布向け】運搬・貯水・水害対策の「3役」をこなすウォーターバッグ
家庭や企業の従業員配布に最適なのが防災非常用ウォーターバッグです。
これ1つで、給水運搬・家庭での貯水・水害時の水嚢として活躍します。
給水所からの運搬に特化した非常用ウォーターバッグ
断水時には給水所へ水を取りに行く必要がありますが、「リュック型」や「背負えるタイプ」は安全性が高く、両手が空くため移動の負担が軽減されます。
企業が備蓄しておけば、従業員へ容器ごと配布でき、混乱の防止にも役立ちます。
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まさかの活用法!トイレ逆流を防ぐ「防災水嚢」としての実力
ウォーターバッグは、水害時の水嚢(すいのう)としても極めて有効です。
・トイレ逆流対策
水を入れて密閉し、便器の水たまり部分に置くだけ。水の重さが逆流圧を押さえ込み、汚水の噴出を防ぎます。
・玄関・排水口の浸水対策
玄関前に並べて置けば簡易的な浸水防止堤防に。土のう不要で、使用後は水を流して畳むだけなので都市部向きです。
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まとめ:課題に合わせた「貯水ツール」で、災害のあらゆる局面に備える
災害時の水の問題は、時期によって変化します。
・発災直後〜30日(断水フェーズ)
企業 → 組み立て式水槽で大量確保
個人 → ウォーターバッグ・折りたたみタンクで貯水
・豪雨・台風(逆流・浸水フェーズ)
ウォーターバッグを「水嚢」として活用し、逆流を防止
「防災用貯水タンク」とは、単に容器を買うことではなく、断水対策 × 水害対策の両面から、自分たちのリスクに合った最適ツールを選ぶことです。
ワン・ステップでは、BCP対応の組み立て式水槽から防災ウォーターバッグまで、あらゆる「水の課題」を解決するソリューションを提供しています。
災害は備えた分だけ被害を減らせます。
「今」こそ最適な水対策をご検討ください。
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