【SFTS(重症熱性血小板減少症候群ウイルス)について①】マダニが媒介するSFTS(重症熱性血小板減少症候群ウイルス)の感染経路について
弊社が感染症対策のエアー式簡易陰圧室開発をスタートした際、共同研究をしていただいた宮崎大学農学部附属動物病院の金子先生から、SFTSについて多くのことを教えてもらいました。弊社のエアー式簡易陰圧室の開発経緯にもかかわるので、SFTSについて少し書いておこうと思います。
SFTSは聞きなれない方も多いと思いますが、重症熱性血小板減少症候群と言い、多くの地域で死者が毎年出ている怖いウイルスです。
このSFTSのウイルスを持っている宿主は、マダニです。
人が感染する経路については、2パターンあると言われています。
一つ目は、マダニに直接噛まれたり、接触することで感染するパターンです。
もう一つのパターンは、ネコなどのペットや人の生活に近いところにいる動物から感染するパターンです。
マダニ → 猫 → 人
という感染経路です。
宮崎県では猫がSFTSに感染し、その後、獣医師が診療中に感染したという事例もありました。
マダニは多くの場所に生息しているため、マダニに噛まれてSFTSにかかる事例は毎年多くあります。
ワン・ステップの本社がある宮崎県はSFTSでの死亡者数が大変多い地域で、対策が必要と言われています。SFTSに感染したネコが動物病院を診療した際、他のネコも感染する可能性があります。そのため、動物病院様でも感染症隔離のための陰圧室が必要です。
しかし、動物病院様の多くは人間医療の総合病院のような大きな陰圧室を持つことは難しいため、弊社では簡易陰圧室を有効利用して頂こうと思っています。
次回はSFTSという病気について、どの時期に多く発生するのか、どの地域で多いのか? などを、書いていく予定です。
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