保育園・幼稚園のBCP(事業継続計画)策定:義務化・メリット・手順を解説
保育園・幼稚園のBCP(Business Continuity Planning:事業継続計画)は、単なる努力義務ではありません。園の価値を高める投資です。
万が一の事態に備え、安全・安心な保育環境を整備することは、保護者からの信頼獲得に繋がります。この記事では、義務化の背景から具体的な策定手順、対策事例までを分かりやすく解説します。
ぜひ参考にして、安心・安全な保育環境を実現し、選ばれる保育園へ変わりましょう。
目次
なぜ今、保育園・幼稚園にBCPが必要なのか?
災害や感染症から大切な子どもたちを守り、保育を続けるために、BCPは不可欠です。なぜ今BCPが必要なのか、その理由と3つのリスクを解説します。一般的な企業・法人については企業や法人向けのBCPを参考にしてください。
保育園・幼稚園のBCPはいつから?義務化の背景
2011年の東日本大震災、新型コロナウイルス感染症など、近年の自然災害や感染症の発生は増加傾向です。そのたびに、保育園・幼稚園の運営には大きな影響があります。
こうした背景のため、国は2023年4月1日から児童福祉施設などでのBCP(事業継続計画)策定を努力義務化しました。
BCPを作らない時の3つのリスク
BCPを策定していない場合、保育園や幼稚園は主に次のリスクにさらされます。。
| 安全を確保できない | 災害時に適切な避難ができず、園児や職員が怪我をしたり、命を落としたりする可能性がある |
|---|---|
| 保護者からの不信感 | 緊急時の対応が不十分だと、園に不信感を抱き退園を考える |
| 訴訟問題に発展する | BCPを策定していなかったことが原因で事故が発生した場合、損害賠償責任を問われる可能性がある |
BCP策定は、これらのリスクを回避し、安全で信頼できる保育環境を提供するために、経営者にとって重要な取り組みなのです。
BCPはもしもの時、子どもたちを守る「お守り」
ここでは、保育園や幼稚園としての、BCPの基本とメリットを3つ解説します。
BCPの基本:緊急時でも事業を続けるための備え
BCP(事業継続計画)の目的は、災害や感染症などの緊急事態が発生した際に、事業を中断させないこと、または中断した場合でも速やかに復旧させることです。
保育現場におけるBCPは、何よりも園児の安全確保と、保護者に安心感を与えることを目指します。
職員が冷静かつ迅速に行動し、園児を安全な場所に避難させ、保護者への確実な情報伝達を行うことが被害を最小限に抑えます。
BCP策定の3つのメリット:対応力・信頼・リスク回避
BCPを策定することで、保育園・幼稚園は以下の3つのメリットがあげられます。
| 対応力の向上 | 緊急時でも、計画に基づき迅速かつ的確に対応できる |
|---|---|
| 信頼の獲得 | 保護者や地域社会からの信頼を得て、入園希望者の増加にもつながる |
| リスク回避 | 事故発生時の損害賠償責任を問われにくい |
BCP策定は、経営安定化にもつながる重要な投資とも考えられるでしょう。
保育園・幼稚園向けBCP策定3つのステップ
BCPを作るのは何だか難しそうですよね。次の3つのステップでわかりやすくまとめましたので、ぜひ園を守る計画を作ってみてください。
ステップ1:リスクの洗い出しと現状分析
まず、あなたの保育園・幼稚園には、どのようなリスクがあるのかを把握しましょう。。
| 目的 | 自園がどのようなリスクがあるかを明確にする |
|---|---|
| 分析項目 | 立地条件、建物の構造、地域の特性、過去の災害事例、ハザードマップなど |
| 洗い出すリスク | 地震、水害、火災、感染症、不審者の侵入、事故など |
| ポイント | 過去の事例を参考に、具体的なリスクを想定する。ハザードマップを活用し、地域の特性を把握する |
ステップ2:重要業務の優先順位付け
次に、緊急時にどのような業務を優先すべきかを考えます。。
| 目的 | 緊急時に優先すべき業務を明確にし、限られた資源を有効活用する |
|---|---|
| 優先順位 | 人命に関わる業務(園児の安全確保、保護者への連絡、情報収集、応急処置など) 事業継続に必要な業務(保育サービスの提供、給食の準備、事務処理など) |
| 考慮事項 | 各業務の緊急度、重要度、依存度などを考慮する |
| ポイント | 職員の意見を聞きながら、現実的な優先順位を設定する。優先順位は、状況に応じて柔軟に変更できるよう備えておく |
ステップ3:具体的な対策の実行と計画の文書化
洗い出したリスクと優先順位に基づき、具体的な対策を実行します。。
| 目的 | 緊急時に迅速かつ的確に対応できるよう、具体的な対策を実行し、計画を文書化する |
|---|---|
| 対策内容 | 避難経路の確認、非常食・防災グッズの備蓄、緊急連絡網の作成、職員の役割分担、安否確認システムの導入、保護者への情報伝達手段の確保、地域との連携体制構築など |
| 文書化 | 計画の内容、責任者、連絡先などを明記し、職員全員がいつでも確認できるようにする |
| ポイント | 計画は定期的に見直し・改善する。訓練を実施し、計画の有効性を検証する。職員全員が計画の内容を理解し、行動できるよう研修や訓練を実施する |
保育園・幼稚園のBCPの対策事例を紹介
保育園・幼稚園で地震や感染症が発生した際、BCPの対策の具体的な事例を紹介します。ぜひ、BCPの策定の参考にしてください。
保育園・幼稚園での地震発生時の対策
保育中に大地震が発生した際、子どもや職員たちを安全に避難させることが最優先です。園内に留まるか避難場所へ行くかの判断は、災害の規模や周辺環境によります。
保護者との連絡手段を複数用意し、災害用伝言ダイヤル(171)の使用方法を保護者に周知するようにしてください。
その後の役割として、停電や断水が続く中でも、保育を必要とする人々のためにできる限り早期に再開することが求められます。事前の備蓄や災害時の職員体制のマニュアル化が必要です。
日頃から災害時の訓練や防災対策の見直しを行い、万全の準備を整えるようにしましょう。
保育園・幼稚園での感染症流行時の対策
感染症流行時の保育施設では、常に最新の情報を収集し、適切な感染防止策を講じることで園児と職員の安全を守ります。
具体的な対策には、手洗いやマスク着用の徹底、施設内の定期的な換気などが含まれます。
また、政府や自治体からの指示を的確に把握し対応に生かすことで、流行の影響を最小限にとどめましょう。
BCP対策を強化!おすすめ防災用品
BCP対策にエア防災がおすすめの防災用品を紹介しますが、日頃から保育園や幼稚園に役立つものでもありますのでご検討ください。一般的な企業・法人については企業や法人向けのBCPにまとめています。
熱中症対策
夏の暑い日、園庭で遊ぶ子どもたちの熱中症対策には万全ですか?
冷却ミストテント(熱中症対策・簡易休憩所)は、手軽に涼しい空間を作り出すことができ、熱中症対策に効果的です。休憩スペースに設置したり、イベント時に活用したりと活躍します。
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災害時の貯水タンク・夏の仮設プール
地震などの災害が発生し、断水した場合、トイレや手洗いなど、生活用水の確保が課題です。
災害用水タンク、大型貯水タンクは、雨水を貯めたり、給水車から水を運んだりする際に役立ちます。また、災害時以外には、夏場の水遊びに仮設プールを活用することもできます。
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体力維持のための運動用品
災害発生後、避難生活が長引く場合、運動不足による体力低下や、ストレスが問題となります。
保育園・幼稚園・学童施設向け運動用・体操用マットで日頃の運動・体操用品を備えておくことで、子どもたちの体力維持や、気晴らしに役立ちます。
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BCP策定で園児、保護者、職員の未来を守る!
BCP(事業継続計画)策定は、未来への投資です。園児の安全、保護者の安心、職員の働きがいを守るために、今すぐ行動しましょう。
私たちエア防災と一緒に、子どもたちの未来を守りませんか? まずは、お気軽にご相談ください。
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