止水板(防水板)とは?意味や効果、置くだけでできる水害対策の種類を徹底解説

「最近、ニュースでゲリラ豪雨の映像を見るたびに不安になる」

「うちは川の近くではないけれど、もしもの時の対策は必要?」

近年、線状降水帯の発生や短時間での記録的な大雨により、これまでは水害と無縁だった地域でも浸水被害が相次いでいます。「明日は我が身」と危機感を持っている方も多いのではないでしょうか。

そこで今、企業や一般家庭で導入が急増しているのが、土のうに代わる現代の水害対策グッズ「止水板(しすいばん)」です。

この記事では、止水板の基礎知識から、なぜ水が止まるのかという仕組み、そして工事不要で「置くだけ」で使える最新の種類まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。

 

止水板とは?意味や読み方、防潮板との違い

まずは、止水板という言葉の基本的な意味や仕組みについて解説します。

 

止水板(防水板・防潮板)の読み方と意味

止水板の読み方は「しすいばん」です。

文字通り「水を止める板」のことで、建物の入り口やガレージ、店舗の自動ドア前などに設置し、外部からの水の侵入を防ぐための設備を指します。

似た言葉に「防水板(ぼうすいばん)」や「防潮板(ぼうちょうばん)」があります。自治体や建築業界によって呼び方が異なることがありますが、基本的には同じ目的・機能を持つものと考えて問題ありません。

 

止水板の仕組みと効果|なぜ水が止まるのか

「ただの板を置くだけで、本当に水が止まるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

止水板は、水の侵入経路(間口)に対して板を設置し、壁や床との接地面にある「特殊なゴムパッキン」などを強く密着させることで隙間をなくし、浸水を防ぐ仕組みになっています。

この効果により、資産や商品、そして家族の生活を守ることができるのです。

 

なぜ今、止水板の導入が増えている?3つの理由

昔ながらの「土のう」ではなく、なぜ今「止水板」を選ぶ法人や家庭が増えているのでしょうか。主な理由は3つあります。

 

1. 土のうよりも設置が早く、女性や高齢者でも扱える

最も大きな理由は「手軽さ」です。

一般的な土のうは、1袋あたり約20kg〜25kgもの重さがあります。入り口を塞ぐために数十個を積み上げる作業は重労働で、成人男性でも腰を痛めるほど。いざという時に間に合わないリスクもあります。

一方、最新の止水板(特に軽量タイプ)は、女性や高齢者の方でも持ち運びが可能です。設置にかかる時間も数分〜10分程度。

「店長が女性の店舗」や「高齢のご夫婦だけの世帯」でも、無理なくスピーディーに対策できる点が評価されています。

 

2. 都市部で多発する「内水氾濫」への対策

「近くに川がないから大丈夫」という考えは、現代の気候では通用しなくなっています。

都市部で増えているのが、下水道の処理能力を超えた雨水がマンホールや側溝から逆流する「内水氾濫(ないすいはんらん)」です。

コンクリートやアスファルトが多い都市部や住宅街こそ、雨水の逃げ場がなく、あっという間に道路が冠水します。こうした急な増水に対応するには、すぐに設置できる止水板が最適なのです。

 

3. 再利用が可能でコストパフォーマンスが良い

土のうは一度水を含むと、産業廃棄物として処分しなければならず、衛生面や処理費用に頭を悩ませることになります。

止水板であれば、使用後は洗って乾かすことで何度も繰り返し使用可能です。初期費用はかかりますが、長期的なランニングコストや手配の手間を考えると、非常に合理的です。

 

止水板の種類|家庭用の「置くだけ」タイプから工事用まで

止水板には大きく分けて3つのタイプがあります。用途や予算に合わせて選びましょう。

 

工事不要!水圧を利用して守る「置くだけ」タイプ

今、注目されているのが、事前の工事が一切不要な「置くだけタイプ」です。

中でも弊社の「ウォーターフェンス」などに代表されるL字型の止水板は、画期的な仕組みを採用しています。

仕組み(水圧利用) L字の形状をしており、流れてきた水が底面に乗ることで、その水の重さ(水圧)」によって板自体が地面に強く押し付けられ、固定されます。
メリット アンカー工事などで地面に穴を開ける必要がありません。

軽量で持ち運びやすく、必要な幅に合わせて複数枚をクリップ等で連結して使えます。

弊社の「ウォーターフェンス」は使用しない時は重ねてコンパクトに収納できるため、マンションや小規模店舗に最適です。

 

高い止水性能を誇る「脱着式(レール設置)」タイプ

平時に柱やレール(ガイド)を工事で設置しておき、雨の予報が出たら専用の板を上から落とし込んで設置するタイプです。

壁や床との密着度が高く、比較的高い水位にも対応できる製品が多くあります。戸建ての玄関や、オフィスの出入り口によく採用されます。

 

ボタン一つで操作できる「シャッター・防水扉」タイプ

普段は地面や壁の中に収納されており、緊急時に電動または手動で引き出して壁を作るタイプです。

設置の手間はほぼゼロですが、導入には高額な工事費用がかかります。工場、倉庫、大型ビル、地下駐車場の入り口などで導入されています。

 

止水板の使い方と設置イメージ

実際に導入した場合、どのように使うのでしょうか。弊社の「置くだけ(L型)」タイプである「ウォーターフェンス」を例に紹介します。

 

設置のタイミングと設置方法の流れ

設置のタイミングは、大雨警報が出た時や、道路の側溝が溢れそうになった時です。「危ない」と感じたらすぐに動けるのが止水板の強みです。

設置手順の例(L型などの軽量タイプ)
1.倉庫や収納場所から止水板を取り出します(女性一人~二人で持てる重さがほとんどです)。
2.玄関やガレージなど、浸水を防ぎたい場所に並べます。
3.製品同士を専用のジョイントで連結し、隙間をなくします。
4.(必要に応じて)両端に重りやサイドパネルを付けたり、壁に密着させたりします。

この工程にかかる時間は、慣れればわずか数分です。土のうを積む労力とは比べ物になりません。

 

設置に適した場所

玄関前  最も一般的な水の侵入経路です。
ガレージ・駐車場 特に道路より土地が低い「半地下」やスロープがある場所は、水が流れ込みやすいため必須です。
勝手口・通気口・窓 意外と見落としがちな侵入経路も塞ぐ必要があります。

 

まとめ:まずは間口のサイズを測ってみよう

止水板は、重くて大変な「土のう」に代わり、「速く」「楽に」「確実」に大切な家や職場を守るための現代の防災対策です。

特に、近年登場しているL型のような「置くだけタイプ」であれば、賃貸住宅や工事ができない場所でもすぐに導入が可能です。

「いつか買おう」と思っているうちに、大雨はやってきます。

まずは、ご自宅や店舗の守りたい場所(玄関や車庫)の幅をメジャーで測り、ハザードマップで浸水リスクを確認することから始めてみませんか?

次回の記事では、失敗しない土のうとの比較」や、気になる「耐水性能」について詳しく解説します。

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