消防・防災で欠かせない「水利の確保」と仮設タンクの役割

消防活動や防災対策において欠かせないのが「水利の確保」です。

消火栓や防火水槽などの既存の消防水利は、地域の防火体制を支える重要な設備です。

しかし、地形的な制約や災害時の被害状況によっては十分な水を確保できないケースもあります。

そこで近年注目されているのが、設置が容易で持ち運び可能な「仮設タンク」や「仮設水槽」です。

本記事では、消防局や自治体、工場や学校などの現場で導入が進む貯水槽の使い方とメリット、具体的な活用事例をご紹介します。

 

仮設タンク・仮設水槽とは?基本的な使い方

種類

仮設タンクや仮設水槽には、利用シーンや設置期間に応じて複数のタイプがあります。

短期間の消防訓練や緊急時に即応できるタイプから、長期的に安定した水利を確保できるタイプまで用途はさまざまです。

以下では代表的な2種類について解説します。

エアー式タンク 空気を入れて形を保つタイプ。

設置が早く、折りたたんで保管可能。

消防用スピード貯水タンクが代表例です。

パイプ式・組み立て式タンク パイプとプールシートを組み立てて設置するタイプ。

長期間の利用に適しており、大容量に対応できます。

パイプ式貯水槽が代表例です。

消防用スピード貯水タンク パイプ式貯水槽

 

基本的な使い方

1. 平坦な場所に設置

2.消防車や給水車から注水

3.ポンプやホースを接続して消火・給水に利用

4.使用後は排水し、乾燥させて折りたたみ保管

特にエアー式は、初めてでも扱いやすい点が大きな特徴です。

 

消防局での活用事例

横浜市消防局様への大規模導入

横浜市消防局では、97基の消防用スピード貯水タンクを導入。

従来の組み立て式の貯水タンクに比べて、設営・運搬・保管にかかる負担が大幅に軽減され、即応性が向上しました。

森林火災など広域災害での中継水槽として活用され、消防活動の効率化に貢献しています。

詳細はこちら:【導入事例】消防向け 消防用スピード貯水タンク① 横浜消防納品

 

千葉県消防局でのデモンストレーション

千葉県の消防局では、消防用スピード貯水タンクを用いたデモを実施。

設置20分・撤去20分と迅速な運用が可能で、耐久性や実用性の高さが確認されました。

詳細はこちら:【デモ事例】千葉県の消防局様と貯水タンクの実演を行いました

 

工場・商業施設での活用

工事・改修時の臨時水利

工場や商業施設では、改修工事や排水トラブルにより水源が一時的に利用できない場合があります。

仮設水槽を設置することで、消防用水や非常用水を確保可能。

実際に東北の工場では54トン規模の大型仮設水槽を導入し、万が一のトラブルに備えました。

詳細はこちら:【製作事例】オリジナルエアー式貯水タンク(約54トン)

 

BCP(事業継続計画)対策

災害時には製造ラインの維持や施設運営に多くの水が必要です。

仮設タンクを事前に備えておけば、生活用水・洗浄用水・冷却用水を確保でき、事業継続性を高める手段となります。

 

避難所での活用

防災教育の教材として

災害時に学校が避難所として活用される場合、生活用水の確保は大きな課題です。

仮設タンクや仮設水槽を導入することで、手洗いやトイレ清掃、衛生管理に利用でき、避難生活の環境改善に寄与します。

 

仮設タンク・貯水槽のメリット

設置・撤去が早い

エアー式タンクなら20~30分で設営可能。

撤去も短時間で、少人数でも対応できます。

 

保管・運搬が容易

エアー式は使用後に空気を抜いて折りたたみ可能。

軽バンや普通車で運搬可能なサイズまでコンパクト化でき、保管場所を選びません。

タンクを丸めた時のサイズ感 軽バンの荷台4分の1に収まるサイズ感

 

多用途に利用可能

消火用・生活用水・災害備蓄・防災イベントなど、シーンに応じて柔軟に使えます。

 

コストパフォーマンス

レンタルと購入の両方に対応しているので、使用頻度や予算に合わせて選べます。

オリジナルサイズの製作も可能で、用途に合わせて柔軟に導入できます。

 

導入時のポイント・注意点

・必要水量を事前に把握(消火用/生活用で異なる)

・設置場所の条件確認(平坦性・アクセス性・給排水動線)

・素材の耐久性を確認

・使用後の清掃・乾燥を徹底し、カビや雑菌対策をする

・自治体や施設の安全基準に適合しているかを確認

 

まとめ

消防水利は固定設備が基本ですが、地域や現場によっては十分に機能しない場合もあります。

その「水利のギャップ」を補うのが 仮設タンク・仮設水槽です。

貯水槽の使い方を理解しておけば、消防団や自治体の消火活動だけでなく、工場・学校・避難所などの防災対策にも役立ちます。

設営の速さ・多用途性・省スペース保管という特長を持つ仮設タンクは、地域全体の防災力を高める有効な手段です。

消防水利の基本を理解したうえで、仮設水利の導入を検討することで、より強固な防災体制を構築できるでしょう。

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