陸上養殖の設備とIoTの活用で、養殖管理をもっとスマートに

なぜ今、陸上養殖とIoTなのか?

養殖事業者の皆さん、日々の業務でこんな課題に直面していませんか?人手不足による従業員の負担増、養殖場のコスト管理の難しさ、そして水温や水質管理の複雑さ。これらの課題は、持続的な事業運営を考える上で避けて通れないものです。

しかし、これらの課題を解決する強力なソリューションがあります。それが陸上養殖とIoT(モノのインターネット)技術の組み合わせです。陸上養殖は、天候や環境に左右されにくい安定した生産を可能にし、IoTは養殖場の管理を劇的に効率化します。

この記事では、陸上養殖に必要な設備の種類から、IoTを組み合わせることで得られる具体的なメリットまでを詳しく解説します。遠隔でも養殖場を管理し、コストを抑えながら生産性を向上させる方法を、ぜひ知ってください。

 

陸上養殖の設備:知っておくべき基本と種類

陸上養殖を始めるには、いくつかの主要な設備が必要です。これらの設備が連携することで、安定した養殖環境が作られます。

 

養殖水槽

養殖する魚の種類や規模に合わせて、さまざまな形状や材質の水槽が使われます。円形水槽は水の循環がスムーズで、水質のムラができにくいのが特徴です。一方、角形水槽はスペースを効率的に使え、設置しやすい利点があります。材質は、軽くて耐久性の高いFRP(強化プラスチック)や、安価で柔軟なシート型などがあります。

 

ろ過設備

養殖水槽の水をきれいに保つための心臓部です。魚の排泄物や残餌を分解し、水質を維持します。主に以下の2つがあります。

・物理ろ過:ゴミや固形物を取り除くフィルター

・生物ろ過:バクテリアの力で有害な物質を分解

ろ過が不十分だと、水質が悪化し、魚の病気や大量死につながるため、非常に重要な設備です。

 

水温・水質調整設備

魚の生育に最適な環境を保つため、水温や水質を調整する設備も欠かせません。ヒーターやクーラー、そして水中に酸素を供給するエアレーションポンプなどがあります。これらの設備を適切に管理することが、魚の健康な成長に直結します。

 

IoTが陸上養殖にもたらす革新:遠隔管理と効率化

IoTは、養殖設備にセンサーを取り付け、データをインターネット経由で収集・分析する技術です。これにより、これまで人の手で行っていた管理作業を、自動化・遠隔化することができます。

 

IoTを活用した水槽管理の具体例

・水質モニタリング

水温、pH(酸性度)、酸素濃度などを測定するセンサーを水槽に設置します。

これらのデータはリアルタイムでスマートフォンやPCに送られ、いつでもどこでも水槽の状態を把握できます。

・自動化システム

収集したデータに基づいて、設備が自動で動くようになります。

例えば、水温が設定値より下がるとヒーターが自動で稼働したり、酸素濃度が低下するとエアレーションポンプが作動したりします。

・遠隔監視とアラート

複数の養殖水槽の状態を、ひとつの画面でまとめて監視できます。

もし異常な数値が検知された場合、すぐにアラート通知が届くため、迅速な対応が可能です。夜間や休日でも安心です。

・給餌の最適化

魚の生育状況や水質データに合わせて、自動給餌機から適切な量の餌を適切なタイミングで与えることができます。

これにより、食べ残しによる水質悪化を防ぎ、餌のコストも最適化できます。

 

IoT導入のメリット:コスト削減と生産性向上

IoTを導入することで、単に管理が楽になるだけでなく、事業全体の収益性向上にもつながります。

・人件費の削減

水質チェックや設備の調整を自動化することで、巡回や手作業にかかる時間を大幅に減らせます。

人手不足の解消にも貢献します。

・管理の効率化

データに基づいた科学的な管理が可能になります。

これまで経験や勘に頼っていた部分が可視化され、誰でも安定した養殖管理ができるようになります。

・リスクの低減

水質の急変をリアルタイムで検知し、アラートを受け取ることで、魚の大量死といった重大なリスクを未然に防げます。

・コスト最適化

設備の稼働を最適化することで、電気代などのランニングコストを削減できます。

また、餌やりを最適化すれば、餌代の無駄をなくせます。

・生産性の向上

常に最適な生育環境を保つことで、魚の成長が早まり、収穫量や品質が安定します。

これにより、事業の収益性が向上します。

 

 実際の導入事例と導入を検討する際のポイント

「IoTを導入したい」と考えても、何から始めたら良いか迷うかもしれません。実際の導入事例と、以下のポイントを参考にしてください。

 

実際の導入事例

水産業界では、すでに多くの企業がIoTを活用したスマート養殖に取り組んでいます。例えば、ある自治体では、地元水産事業者と企業が連携し、ヒラメの陸上養殖にIoTを導入しました。センサーで水質をリアルタイムで監視し、データをクラウドで一元管理することで、人手不足の課題解決や安定生産を目指しています。

また、ある企業は養殖管理システムを提供し、高精度なトレーサビリティ管理や作業の効率化を実現しています。

 

エア防災の取り組み

私たちエア防災も、陸上養殖向けの水槽設備を提供しており、IoTを活用した養殖管理の効率化を推進しています。

特に、水槽の状態を遠隔で監視するIoTソリューションの開発に力を入れており、養殖事業者の皆様がより安心して事業に取り組めるよう、サポート体制を強化しています。

 

導入を検討する際のポイント

・初期費用の見積もり

陸上養殖設備とIoTシステムの導入には、ある程度の初期費用がかかります。

導入する設備の規模やシステムの内容によって費用は変動するため、まずは専門業者に見積もりを依頼してみましょう。

・補助金・助成金の活用

スマート農業や漁業の推進を目的とした補助金や助成金制度が国や自治体にあります。

これらの制度を活用することで、初期費用を抑えられる可能性があります。

・パートナー企業との連携

設備導入からシステム構築、運用まで一貫してサポートしてくれる専門企業と連携することで、スムーズに導入を進められます。

エア防災でも一緒に養殖×IoTの未来を構築してくださる企業様を募集しております。

 

スマート養殖で未来の養殖業を切り拓く

陸上養殖とIoTの組み合わせは、これまでの養殖業が抱えていた多くの課題を解決し、持続可能で収益性の高い事業へと変える鍵となります。

データに基づいたスマート養殖への転換は、もはや特別なことではなく、これからの養殖事業を成功させるために不可欠な要素です。私たちエア防災も、陸上養殖とIoTのソリューションを通じて、皆様の事業を強力にバックアップします。

一歩踏み出して、未来の養殖業を始めてみませんか?

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