【改正安衛則で義務化】熱中症「身体冷却」マニュアルの作り方と対策
2025年6月1日、「改正労働安全衛生規則」が施行され、職場における熱中症対策は企業の「努力義務」から、罰則規定を伴う「法的義務」へと変わりました。
施行から半年以上が経過しましたが、2026年の夏に向けて、労働基準監督署の指導はより具体的かつ厳格になることが予想されます。
特に重要なのが、今回の改正で明確化された「緊急時の措置手順」の策定です。
本記事では、法令違反にならないためのマニュアル作成のポイントと、多くの現場が直面する「氷の確保」という課題を解決するツールについて解説します。
2026年、熱中症対策は「法的義務」です
今回の法改正において、事業者が必ず遵守しなければならない事項は以下の3点です。
これらを怠った場合、「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」等の罰則が科される可能性があります。
改正安衛則で定められた「3つの義務」
1.報告体制の整備
熱中症の症状がある労働者や、それを発見した労働者が、誰に報告すべきかをあらかじめ定めること。
2.症状悪化防止措置の手順作成(★最重要)
熱中症の疑いがある場合、どのような手順で応急処置を行うかを事前に作成すること。
3.労働者への周知徹底
上記1・2の内容を、作業開始前に全労働者へ周知すること。
出典:厚生労働省
「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について(令和7年5月20日 基発0520第6号)」
「職場における熱中症予防基本対策要綱」
監査で指摘される「身体冷却」の具体性
多くの企業が苦慮しているのが、2番目の「症状悪化防止措置の手順作成」です。
マニュアルに「涼しい場所で休ませ、身体を冷やす」とだけ記載していませんか?
厚生労働省の指針では、緊急時の措置として「身体冷却(しかるべき方法で身体を冷やすこと)」が明記されています。
しかし、実際の現場では以下のような問題が頻発しており、マニュアルを作成しただけになっているケースが見受けられます。
・冷却手段がない: 「冷やす」と書いているが、現場に保冷剤も氷もない。
・氷が溶けている: 猛暑日には、昼過ぎにクーラーボックスの氷が溶けきっている。
・冷却力が弱い: 脇の下を冷やす程度の保冷剤では、重症(III度)の深部体温上昇に対応できない。
緊急時には救急隊の到着を待たず、現場で即座に冷却を開始するなどの「応急処置」が生死を分けます。
そのため、マニュアルには「何を使って」「どう冷やすか」まで具体的に落とし込む必要があります。
【実践】監査に強い「身体冷却手順」の作り方
では、具体的にどのような手順書を作成すればよいのでしょうか。
「涼しい場所で休ませる」という抽象的な記述ではなく、「誰が・何を・どこで・どう使うか」を明確にする必要があります。
以下の3ステップに沿って、自社のマニュアルを見直してみましょう。
ステップ1:判断基準(トリガー)を決める
現場の作業員が迷わないよう、冷却を開始する基準を明確にします。
・「自力で水分摂取ができない場合」
・「呼びかけに対し、反応がおかしい場合」
・「手足が痙攣している場合」
ステップ2:具体的な冷却方法を指定する
ここで「身体を冷やす」とだけ書くのはNGです。具体的に何を使って冷却するのかを記載します。
・× 悪い例:「保冷剤などで冷やす」
・◎ 良い例:「アイスバスを使用し、首まで水に浸けて全身を冷却する」
ステップ3:【厚労省指針準拠】記述テンプレート
以下の定型文を参考に、自社の設備に合わせてマニュアル(緊急時対応フロー)に追記してください。
※このテンプレートは、厚生労働省「職場における熱中症予防基本対策要綱」の緊急時の措置要件に基づき作成した記入例です。
【緊急時の措置手順(例)】
熱中症の疑いがあり、意識混濁または自力での水分摂取が困難な場合、発見者は直ちに以下の措置を行う。
- 119番通報を行う。(担当:発見者または現場代理人)
- 救急隊の到着を待たず、資材置き場に設置した「○○(具体的な設備名)」を展開する。
- 被災者を○○に入れ、救急隊引き継ぎまで水道水をかけ流して応急処置を行う。
- 冷却開始時刻と経過を記録し、救急隊員へ伝達する。
手順を作ると気づく「設備の穴」
上記の手順を作成しようとした際、多くの安全担当者が気づく問題があります。
それは、「マニュアルに書けるほど、確実な冷却設備が現場にない」ということです。
「製氷機の氷は足りるか?」「誰がコンビニまで氷を買いに走るのか?」
緊急時に不確定要素が多い方法は、マニュアルとして機能しません。
そこで推奨されるのが、確実な冷却効果を発揮する専用設備の導入です。
現場の課題を解決する「2つの冷却ソリューション」
「氷の確保はできるが、保管場所に困っている」現場と、「そもそも氷の管理をしたくない」現場。
それぞれのニーズに合わせて、主に以下の2つのタイプが選ばれています。
1. 氷不要で常時冷却!「ポータブルアイスバス」
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こちらはチラー(冷却機)を接続して使う、高耐久タイプのアイスバスです。
・特徴:チラーによる水温管理が可能で、スポーツ現場のクールダウンや、建設現場での休憩時間を使った熱中症対策に適しています。
・メリット:常に設定した水温(5℃〜40℃の範囲)をキープできるため、製氷機からの氷運び出しや買い出しの手間が一切不要になります。
2.コンパクトに備蓄! 緊急搬送時の切り札「熱中症レスキューバス」
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「もしも」の瞬間に特化した、緊急用のアイスバスです。
・特徴:送風機で空気を入れた後、氷と水を入れて使用します。電源・水・氷さえ確保できれば、あらゆる場所で使用可能です。
・メリット:使用しないときはバッグに収納(約10kg)し、緊急時のみ数分で展開可能。頭部を支えるヘッドレスト付きで、安全に全身冷却が行えます。
まとめ:マニュアルと設備はセットで準備を
2026年の夏、問われるのは「書類上の計画」ではなく「実効性」です。
作成したマニュアルを手に、一度現場を見渡してみてください。
「今ここで誰かが倒れたとき、手順通りに身体を冷やせるか?」
もし氷の確保に不安があるなら、氷不要の冷却設備の導入を検討するのも一つの法的リスク対策です。
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